その対価の範囲はどこまでか
2015/07/28
先日、T.M Revolutionの佐賀でのライブにいく機会がありました。
そこでちょっとした、でも興味深いやりとりがありまして、それについて考えてみたことがあります。
ライブの本編が終わり、今からアンコールというときのことでした。
メンバーのみなさんが出てくると、西川貴教さんがチケット料金の内訳について語り出しました。
つまり、みなさんのチケット料金は本編に対しての対価である、と。
そしてアンコールとは、求める側と求められる側との心と心の呼応であるので、今日はここでコンサートを終えさせていただきたい、というのです。
会場全体がどよめいたのは言うまでもありません。
常々アンコールに関してお答えしていますが、基本は本編で全て完結しており、チケット代はこの本編に対して頂戴しております。更に求められ、それに応える心と心の呼応がアンコールです。本当に求めて頂ければ、いくらでもお応えします。ですから『もっと』のアピールは、強く大きくお願い致します。
— 西川貴教 (@TMR15) June 28, 2015
言葉足らずになるといけないので補足しますと
・アンコールのかけ声をかけてくれた観客にまずお礼を述べていました。
・アンコールに対する考え方は自分の持論である(他のアーティストがどうしているかは分からない)ことを述べていました。
・このやり方で失うものがあることを自覚していることを述べていました。
・(対価としての)本編は必死に、死ぬ思いでやらせてもらっていることを述べていました。
・自分のこの態度に対して、不快に思う方には本当に申し訳ない、と、お詫びを何度も述べていました。
ネットでも取り上げられていたみたいなので、知っているという方もいると思います。
アンコールの解釈についてはそれぞれ意見があると思うし、やり方もいろいろあっていいのではないかと思います。
で、注目したいのは、あなたが払ってくれる料金で得られる対価はここまでですよ、と範囲を明示したところです。
その対価の範囲なんて最近は気にもとめなくなってたので、正直ちょっとした衝撃でした。
思い出したのは一時期世間を賑わせた、店員に土下座を強要した事件。
コンビニでの一件は、客が店長に対してペットボトルに水を入れるよう要求し、
そんなサービスはやってないと拒否したことが発端でした。
ま、これなんかはそもそも金品を脅し取ろうとしたのが目的なんでしょうけど(笑)
極端な例はそれとして、SNS上なんかでも例えば店員さんの態度にキレてクレームなんてのはよく目にします。
でもよくよく考えてみると、その商品(サービス)の対価に店員さんの態度などは含まれてるんでしょうか?
サービス料を取っているところは含まれるんでしょうね。でも例えばコンビニだったりとかは明示していないのが普通じゃないでしょうか。
もし明示している場所で自分が不快な気分にさせられたとき、果たしてクレームをつける正当性はあるんでしょうか?
そう考えるとクレームの意味合いも少し別の意味合いを持ち始めるような気がします。
「こっちは客(対価を払っている)」なのだから、「不快にさせられたこととの引き替えとして謝罪を要求」という立場から
「対価分はもらった」が、「あなた(店)のことを思えばその態度では将来が危ういという注意(提言)」という立場へ。
もちろんこれまでもこの両者が混在していたと思いますが、範囲を明示すると前者がそぎ落とされるので意味合いがよりクリアになるんじゃないかと思います。
個人的には、こうした範囲を明示する店(サービス)がそこらじゅうにはびこる世の中はあんまりいいとは思いませんが。
今までだって、明示しないのは、要は「書かなくてもわかる」からですよね。ある程度の常識の範囲内で、ということです。
システムの生活世界への浸食は、ちょっと行き過ぎてるのかなと思いますよ。
ただし、書いて(明示して)ないからといって、微妙な部分をさも当たり前だろう的な態度でこられる客に悩まされているところがあるとすれば、その対処の一環としてはアリかなと思います。あくまで対処療法ですが。
そして、自分が店員からイヤな態度(サービス)を受けたなら、一番いい対処の仕方は次からその店にいかない(サービスを受けない)ということなんでしょうね。
西川さんも「この件について、どうしても納得できない方は他のアーティストに流れていってもらってかまいません」とおっしゃってました(ただし、帰って来てくれれば全力でその気持ちを受け止める、ともいってました)。
ま、こういうのって「これが正解!」みたいなものはないんでしょうし、つまりはどうすれば世の中がうまく回っていくかってことなんでしょうし。
回すための道具をうまく使えればいいですね。
ちなみにライブはすごく楽しめました!
どこまでが本編だったのかはさっぱり分かりませんでした(笑)
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